去る7月7日(土)、七夕の日、印刷博物館と『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!2018』のコラボイベントを開催しました。
3部仕立てとしたイベントは、
①板垣恭一さんと中西保仁さんの対談から始まり
②中西さんの解説付きで印刷博物館ツアー
③最後は活版印刷体験で「グーテンバーグ!」のオリジナル栞をお持ち帰りいただきました。
七夕と言えば願い事をしたりしますよね。
ダグ&バドの願いはもちろん、皆さんからの支援を得てブロードウェイに進出すること!
そんな二人が作ったミュージカルがどんな作品なのか専門家お二人を招いて対談を行わせていただきました。
題して『ミュージカルってなんだ?!グーテンベルって誰だ!?』。
館内に入ると『グーテンバーグ!』のポスターとPV、それに活版印刷機がお出迎えをしてくれます。こちらは公演の千穐楽まで飾ってくださるよう。
ありがたや。
さてイベント本編は対談からスタート。
まずはお二人の自己紹介から始まります。演出家の板垣恭一さんはストレートプレイからミュージカル、映像までフィールドを跨いで多彩な力を発揮されています。
中西保仁さんは印刷博物館の学芸員で、印刷に関わる資料を集めたり研究したり、展示会を企画したりされています。
冒頭はまず印刷の歴史とグーテンベルクについての概要からスタート。のっけから「アメリカでも'グーテンベルク'を'グーテンバーグ'と発音するのは聞いたことがないですね」という中西さんの発言に司会者はたじたじ。そこは作品のタイトルなのであまり弄らないでやってください…💦
前半は主に中西さんの解説に対して板垣さんが質問を加えながら進行。グーテンベルクが4度訴えられていて、その全てがお金絡みだったこと(なんと結婚詐欺まがいのことも!)、今でいうベンチャー起業家だったこと、実は印刷機を発明して社会の役に立てようなどという事はあんまり考えておらずひたすらビジネスマンであっことなど、驚きの事実が暴露され続けます。グーテンベルクは徹底して教会の仕組みやお金を持っている貴族階級の人たちの心理を巧みにビジネスチャンスに変えていった人のようです。しかもこのグーテンベルクの人となり、『グーテンバーグ!』の台本にもちゃんと塗り込まれていることが判明。ダグさん、凄いですね!
後半は板垣さんによるミュージカルや舞台についてのお話。シェイクスピアの時代から現在に至るまで劇がどのように変遷してきたか、そしてミュージカルが時間と空間をコントロールしやすかったり、音楽を活用して個人の心理を吐露できるところに優れた要素があることなど、なるほどと思えること満載でした。ミュージカルをよく観ていても実はあまり気付かない要素だったりしますよね。
そして何より「劇とは自然(社会)の鏡である」というシェイクスピアの言葉の引用からの板垣さんの持論。劇場に足を運ぶ人たちの多くは舞台の上に間接的に自分を探しにきているというお話。なるほど。見たくない自分だったり、本当の自分だったり、劇というフィルターを通して目撃して再び自分の中に落とし込んでいるのですね。
過去の大好きだった作品を思い浮かべながら、その演目のどこに自分を見つけたのか、ちょっと考え込んだりしました。
1時間45分のほどの対談が終了し、さあ印刷博物館ツアーへ・・・と思っていたら突然登場したスペシャルゲスト!出演者4名、福井晶一さん、原田優一さん、鯨井康介さん、上口耕平さんに加え、マコリーヌことピアノの桑原まこさんが登場!
初演組の福井さん、原田さんは堂々と、新メンバーの鯨井さん、上口さんは少し緊張した面持ち。新メンバーのお二人にとっては初めてお客様の前での楽曲披露でした。
でも元気よく登場していただいた皆様、本番へ向けての意気込みとともに3曲お披露目していただきました。
♪ 呪いの森
♪ 言葉ってなんだ?
♪ 未来は今
とても盛り上がる時間でした^^
そして出演者の皆様も交えての博物館ツアー!
学芸員・中西さんの説明はとてもユニークで参加されたお客様も思い思いに楽しんでいらっしゃる様子でした。
最後は活版印刷体験。
普段は展示のみになっている昔ながらのプランタン印刷機を特別に稼働していただき、数名のお客様は直接触って体験していただきました。
そしてコンパクトに作られたキュートな活版印刷機を使ってオリジナル栞を。これがとてもよく出来ている機械で、手前のレバーを押すだけでインクを拾って、活字に塗りつけて、最終的に紙に印刷するまでの工程をとても効率よくこなしてくれるんです。ああ、そんな人になりたい・・・。
そんなことより!出演者4人も自分でプレスした栞に満面の笑みでございます☺️
こうして超濃厚な3時間の印刷博物館コラボイベント『ミュージカルって何だ?!グーテンベルクって誰だ!?』無事閉幕。
最後は『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!』のヒロインの名を冠したフォント「ヘルベチカ」の前で記念撮影。
充実の七夕イベント、参加していただいた全ての方に感謝です。ありがとうございました!
Comentarios